秋風:

米国の秋はどのようなものかと思っていた。無骨で、赤茶けた岩がごろごろ転がっているだけの殺風景なところかと思っていた。
久しぶりに彼に会った地は賑わっていて、少しだけ寒気を覚えた。
結局全ては私の杞憂に終わってしまい、日本で秋を迎え、季節の変わり目に凍える。近頃、足の裏が冷たいのだ。今まで生きてきた中で一番賑やかな寝床で、私は両足を擦り合う。すぐ横から四人分の微かな寝音がするので随分と穏やかな気持ちになってしまい、上半身を起こして周りを眺めてみると、ルドセフのお腹が丸出しになっていた。豪快な寝相に一つ息をつき、この子のおへそが整っていることをなんとなく確認してから布団をかけ直してやる。
外からは、何の音も聞こえない。内と外とのギャップに妙な胸騒ぎがして、眠れなくなってしまった。
この無人島に来てからというもの、そういうことが多いのだ。その度に自分が聖人でも何でもないただの女であることを恨めしく思う。